2015年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの神様』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。
100歳まで生きた長寿者の共通点
1996年の春頃だったと思うのですが、アメリカの心理学研究チームが、「理想的な二重人格の青年」を発見したと発表しました。
二重人格とは、「同じ人とは思えない、まったく異なる2つの人格」を持つことです。
「理想的な二重人格」というのは、「A人格からB人格(あるいは、B人格からA人格)に移る瞬間が、予測できる」ことだそうです。
人格が切り替わる瞬間が予測できれば、さまざまな現象の違いを把握できます。だから、理想的と呼んだのです。
研究チームは、研究の過程で、次のような現象を見つけました。
・「B人格」……オレンジアレルギーを持っていない
そこで、研究チームは、人格の移行時にオレンジを食べさせたら、どのような反応が出るのかを調べてみることにしました。
A人格からB人格に移行する「30分ほど前」にオレンジを摂取すると、A人格にはアレルギー症状が出ます。
ところが、B人格に移行したとたん、アレルギー症状がサッと消えたのだそうです。
また、B人格からA人格に移行する30分前にオレンジを摂取しても、アレルギー症状は出ないのですが、A人格に移った瞬間に、症状が出ることがわかりました。
この結果を受けて、研究チームは、次のように考えました。
「どうやら、病気は、人格と連動しているらしい」
この実験から、「病気には、人格(=心)が深く関係している」ことがわかったのだそうです。
100歳まで生きた長寿者には、「クヨクヨ考えない楽天的な性格」の人が多いといわれています。いろいろなことを苦にしないこと、引きずらないこと、落ち込まないこと、心配し続けないことが、どうも、長寿につながっているらしい。
「クヨクヨしない」とは、すなわち、「心が健康である」ことですから、「心が健康なら、身体も健康になりやすい」ようです。
すでに何かの病気を抱えているのなら、「今までは、考えたこともないこと」を生活の中に取り入れてみるとよいかもしれません。
仕事一辺倒のビジネスマンなら、森林浴やトレッキング、サイクリングなどのアウトドア・スポーツを取り入れてみる。カラオケが苦手な人は、あえて、カラオケに通ってみる…。
ようするに、「二重人格的な生活」「今までの自分とは、正反対の生活」をしてみるのです(もちろん、社会通念上許される範囲内で)。
「人格が病気をつくっている」のだとしたら、自分が今まで否定してきた人格や、対極に位置する人格を(社会に迷惑をかけない範囲で)演じてみる。
そうすると、病気にかかりにくくなるかもしれません。
ずっと休むことなく増殖を続けていたガン細胞が、週に1時間でもその歩みを止める、ということになれば、すごいことだと思いませんか?