2年間の赤字が約1.5兆円に上る見通しのパナソニック。国際家電見本市(CES)で基調講演を行ったトップに展望を聞いた。

──巨額の赤字の中、CESの基調講演を引き受けた狙いは。

 赤字とCESの基調講演をやるかどうかは関係ない。いま業績が悪いことは事実だ。だが、パナソニックがどこに向かい、強みの源泉をどこにつくるのかを考え直し、社内外に発信するよい機会だ。

──基調講演で伝えようとしたメッセージは。

 米国では「パナソニックはテレビメーカーで、テレビ事業で苦しんでいる」という単純な見方をされている。社内にも家電メーカーという意識があるが、売り上げに占める家電比率の実態はもはや3分の1だ。パナソニックとは何かを正しく伝えなければならない。基本は人の暮らしにフォーカスを当て、エンジニアリングで実現してきた会社だ。家電ではない、車の中や飛行機の中、サービス業でも貢献できる。ただ、家電が強みであることは事実だ。テレビが赤字だからやめてBtoB事業だけをやるというメッセージではない。

──CESで4Kの有機ELテレビを発表した。商用化のめどは。

 有機ELテレビは小型では実用の域にあるが、大型ではまだ技術開発が必要だ。われわれは開発を始め6~7年たち、非常によい画質の4Kの有機ELテレビを発表できた。いつも韓国に技術で負けていると言われるので、そんなことはないと見せたかった。家庭用テレビとしての商用化は、コスト競争力で液晶に勝てるようにならないと投資に踏み込めないため、まだ早い。まず業務用ディスプレイから商用化を始めたい。