2015年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの神様』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。
心が込めた「ありがとう」でなくてもいい
「ありがとう」を繰り返し言っていると、また「ありがとう」と言いたくなるような現象が起きます。
しかも、「ありがとう」を言うときに、「心は込めなくてもいい」というのが私の考えです。
「心を込めなくても大きな効果が得られる」ところが、「ありがとう」のすごいところです。
たとえば、自分に意地悪をする姑に、心から「ありがとう」を言うのは難しいかもしれません。
でも、「心を込めなくてもいい」と教わると、気兼ねなく「ありがとう」と言えるでしょう。
「姑」にではなく、宇宙に対して「ありがとう」を発信するつもりで言えばいい。その結果、姑との関係は驚くほどよくなっていきます。
「思う」のではなく、「言う」ことが大事
ある方から、次のような質問をいただいたことがあります。
心の中で思う力(=想念)よりも、「口に出した力」のほうが、はるかに大きなエネルギーを持っています。
ですから、心の中で何を考えていたとしても、「ありがとう」を口に出したほうがいいと思います。
喫茶店に行って、「コーヒーを飲むぞ、コーヒーを飲むぞ」と心の中で強く思いながらも、「紅茶をください」と口に出せば、出てくるものは「紅茶」です。
「あなたは今、『紅茶をください』と言いましたが、心の中では『コーヒーを飲むぞ』と考えていましたね」と言って、コーヒーを持ってくる店員がいるでしょうか? いません。
「想念の力」が「1」だとすれば、「言葉の力」は、1万倍にも、1億倍にも、1兆倍にもなります。
想念よりも言葉のほうが、相手に伝わる力は大きい。もし、世界の人口約80億人が「コーヒーが飲みたい」と思いながらも「紅茶をください」と言えば、80億人全員が「紅茶を飲む」ことになるはずです。
心を込めなくてもいいから、「ありがとう」をたくさん言っている人には、「ありがとう」と言いたくなるようなことが、次から次へと起きてくることになります。
目の前に嫌いな人がいて、心の中では「この人のことが嫌いだ、苦手だ、このやろう」と思っていても、「ありがとう」と言ってみる。言われた相手はきっと「感謝された」と思うはずです。
腹の中が煮えくり返っていても「ありがとう」と言い続ける。そうすれば、まわりの状況を楽しめると思います。