オリジナル寝具と
遮光空間で安眠へ導く

 体は良質な睡眠を得るのに最適な状態に持っていけたとしても、“睡眠環境”が悪ければ意味がない。寝具を含む寝室全体を寝心地の良い空間にしなければ「睡眠の質」は上げられないのだ。

 1984年の1号店開業以来、「安全・安心・安眠」をブランドコンセプトにホテル運営を続ける「アパホテル」は、現在、睡眠の質向上にアプローチした客室づくりに注力している。アパホテル〈浅草 蔵前駅前〉で支配人を務める太田葉月氏は、こだわりのオリジナル寝具についてこう話す。

「オリジナルベッドの『Cloud fit』は『雲の上のような寝心地』をスローガンに、体圧を感知してサポートバランスを調整する機能を持たせ、体の凹凸にフィットして包み込まれるような感覚が味わえるマットレスに仕上げました。横たわると、体が寝に入りやすい状態になるのです。こちらはお客様から『購入したい』というお声を頂戴するほど好評をいただいております」(太田氏)

 続けて、もう一つのアパホテル自慢の寝具が「枕」だという。

「今年9月7日に開業した当ホテルから、1部屋につき2種類の枕を常備しており、順次全店で導入予定です。一つは、3Dメッシュ構造で首のサポートに優れた『Pride Fit』。もう一つが、好みや体調に合わせて、高いか低いか、硬いか柔らかいかを選べる4WAY枕の『Adjust Fit』です」

 枕は、寝心地を大きく左右する。部屋にいろいろなタイプの枕が置いてあれば、旅先や出張先でも自分好みのものを見つけやすいだろう。

「寝具以外に力を入れているのが、客室内の『光』です。睡眠中に光を感じるとメラトニンの分泌が抑制されてしまい、良質な睡眠を得づらくなるといわれています。そのため、寝るときは室内を可能な限り暗くできるよう、カーテンは完全遮光のカーテンにしました。また、今年の7月1日に開業したアパホテル〈浅草 新御徒町駅前〉から、『おやすみスイッチ』を導入しています」

「おやすみスイッチ」とは、これまで個々に分かれていた客室内のあらゆる照明をヘッドボードのボタン一つで一括消灯できるシステムだ。これにより、入り口、デスクライト、客室、枕元……と一つひとつ消していかずとも、ワンタッチで部屋を真っ暗にできるという。

 コロナ禍の今、生活スタイルの変化やストレスが原因で、元々感じていた睡眠の不調がより深刻化している人は少なくないはずだ。今後もさまざまな企業から、睡眠の質向上にまつわるサービスや商品が打ち出されていくことだろう。