2015年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの神様』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。

ありがとうの神様Photo: Adobe Stock

人生の目的は「長生きすること」ではない

 ガンを宣告されてから、毎日、さまざまな健康法や食事療法を続けてきた人がいます。

 自分の健康を取り戻すことを優先し、ありとあらゆる頼まれごとをすべて断ってきた。

 しかし、5年たったところで、「自分は何のために生きているのか。どうして病気を治そうと思っているのか」と疑問に思ったそうです。

 そのとき、たまたま私の講演会においでになって、「人生の目的は、頼まれごとをして、喜ばれる存在になること」であることを知った。

 それからは、「自分が何をしたいかではなく、いつ死んでもいいから頼まれごとをして、喜ばれる人生に切り替えよう」と決意しました。

「病気を治してから頼まれごとをやろうと思っていたけれど、それでは、今、この瞬間を生きている意味がないではないか?」そう思い、次の日から頼まれごとをやりはじめたのです。

 それ以来3年たちますが、とてもお元気そうで、「一度も病院に行っていない」そうです。

「喜ばれる存在」であることが大切

 もし、神様という存在が上から見下ろしていたとしたら、その人が病気であろうとなかろうと、関係がない。

 その人が「どんな病気を背負っているか」ではなくて、「喜ばれる存在であるかどうか」を神様は見ているらしい。

 たとえ病気でも、与えられた状態の中で、頼まれごとをやり続けていたら、神様は、「この人をもうちょっと長生きさせようかな」と思うのではないでしょうか。

 なぜなら、この人は、まわりを喜ばせることができるのですから…。

 私たちの人生は、長生きすることがテーマなのではありません。「生きている間に、どれだけ喜ばれるか」だけです。

 たとえ病院のベッドの上にいても、お見舞いに来てくれた人に、不機嫌にならず、笑顔で、穏やかに応対をして、その人を安心させることができたら、それだけでも「喜ばれた」ことになります。

 そういう一瞬一瞬を積み重ねていけば、それ以外のことはいらないのです。

 この世に生を受けた目的とは、「いかに喜ばれる存在になるか」ということです。そして、喜ばれる存在になるために「頼まれごとを淡々とこなす」こと。それが人生のすべてなのです。