ジェーン・ヤンさん(51)のスマートフォンに、見覚えのない番号からテキストメッセージが送られてきた。「今夜、例のサロンに行かない?」。それはいつ起きてもおかしくない誤送信に見えた。実際、これは相次いで発生している詐欺の一例だ。オンライン犯罪に関する消費者の苦情を扱う米連邦捜査局(FBI)のインターネット犯罪苦情センターによると、米国では昨年この詐欺の被害総額が4億2900万ドル(約645億円)余りに上っている。送り主とやり取りを始めてから3カ月後、ヤンさんの損失額は160万ドル(約2億4000万円)超に膨れ上がっていた。法執行当局によれば、今年に入ってテキストメッセージやソーシャルメディアを通じて大量のメッセージが携帯端末に送りつけられている。ヤンさんもその被害に遭った。