インターネットの普及などによりCDの販売は減少。音楽業界は苦境にあえぎ、音楽家にもそのしわ寄せが及んでいる。こうしたなか、音楽産業はどのように変化するのか、音楽家に生き残る術はあるのか。週刊ダイヤモンド1月12日号では第2特集「誰が音楽を殺したか?」を掲載。その特集が1月28日に電子書籍としてKindle版とkobo版で発売されたのに合わせ、人気グループ「m-flo」のメンバーであり、twitterやメディアで意見を発し続ける☆Taku Takahashiさんに思いを聴いた。(聞き手/「週刊ダイヤモンド」編集部 森川 潤)
DJ、プロデューサー。98年にVERBAL(バーバル)と「m-flo」(エムフロー)を結成。全6枚のアルバムはオリコンチャート10位以内で、ソロワークとしては海外の老舗配信サイトbeatportで年間1位をとり、日本人で初めてアワード受賞した。2011年、インターネットラジオ「block.fm」を立ち上げ、国内外の人気DJが最先端の音と情報を発信する場を提供している。今年3月には新アルバム発表を予定している。
ビジネスモデルは40年前のまま
ガラパゴス化し取り残されている
――ヒットチャートを見てもアイドルのみが売れ、音楽全体としては落ち込みが続く。どこに問題があると考えているか。
進化の遅さにつきます。日本の音楽は世界のトレンドからみると、すごく遅れています。そして残念ながら、それに日本人が気づいていない。
――進化の遅さはどういったところに影響しているのか。
もちろん、音楽に好き嫌いがあるのは当然でそれはむしろ大切なことと思います。しかし、世界のトレンドからあまりにもかけ離れてしまっている。結果的にボーカリスト(歌い手)の育成技術が遅れ、曲や映像の表現が古くなってしまっています。
さらには、音楽業界がエンターテインメントとしてフォーマット化しているビジネスモデルは、40年前のものが未だに使われているのが現状です。まさに悪いバージョンのガラパゴスのように他の場所から取り残されています。