不安や悩みが尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、増刷を重ねて好評多々の感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。とても読みやすいオムニバス形式の8つのショートストーリーは、ふと心が落ち込んだとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

「自分の性格が嫌いだ」「私は精神障害なのかも」…そんな人の心がフッと軽くなる精神科医の“神アドバイス”

性格が悪いのではなく“性格の違い”

「パーソナリティ障害」ってご存じでしょうか? パーソナリティ障害は、大多数のほかの人たちとは違う行動や反応をすることによって、周りの人たちが困ったり、本人が苦しんだりするもの。「人格障害」と呼ばれることもあります。

パーソナリティ障害だからといって、性格が悪いというわけではありません。広い視点からすると、“性格の違い”なんですね。人の性格は多種多様ですが、人に依存しやすい性格とか、こだわりが強くて決めた通りにしないと気が済まない性格とか、その性格があまりにも極端だと、本人が苦しんだり周りが困ったりするわけです。

こうしたことを精神科医が患者さんに説明するかどうかについては、いろんな議論があります。アテクシの場合、もちろん患者さんによっても違いますけれど、基本的にはお伝えすることにしています。

性格は絶対的なものではない

そうすると患者さんからは「生まれ持った性格だから治らないんですか?」みたいに尋ねられることが多いんですね。結論から言うと、そういうことはないんです。性格っていうのは、絶対的なものではありません。

もともとのベースとなる性格っていうのはありますが、自分が変えたいと思ったら、基本的には変えられると思ったほうがいいです。以前は暗い性格だった人が、久しぶりに会ったら明るい性格になっていたなんてことはあり得る話ですよね。

だから、自分の性格に違和感を得ている人であっても、どうにもならないなんて悲観的になることはないんです。「私はクヨクヨしやすい性格だから落ち込みやすいんだ」なんて自分自身にレッテルを貼ってしまう人も多いのですが、これは良くないことなんですね。

“自分のいま”を客観視してあげる

性格っていうのは、移ろいやすいもの。体調が良くて元気なときは楽観的な性格になりやすいけれど、体調が悪くて気力も体力も落ちているときは悲観的になりやすいですよね。天気が悪いだけでも、悲観的な性格になったりするじゃありませんか。性格っていうのは、そんなふうに変わるものなんです。

たしかにベースとなる性格はあるにせよ、少なくともそれは絶対的なものではない。性格は移ろいやすいものなのですから、「いまはこんな感じだよね」「いまはちょっと落ち込んでるかな」「いまは神経質になってるかも」「いまは大雑把になってるな」なんていうふうに、いまの自分を客観視してとらえてあげるといいです。

つまり、“ただの状態”なんですよね。「こんな状態になりやすい性格なんだ」と柔軟にとらえてあげるようにすると、気がラクになりやすいと思います。

本稿は『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。