この表からは、2012年の利用経験者は2010年に比べて約1.5倍に増えているものの、今後利用したい割合は“8.4ポイント減っている”ことがわかります。これは、グラフをよく見ると、“利用経験にかかわらず今後利用したくない人が漸増”しており、“利用したことがないが今後利用したい人が急減”しているからだとがわかります。

 つまり、利用経験の有無にかかわらず今後の利用意向は二極化してきていることになります。今後に関して言えば、「利用したことはないが今後利用したい」と思っている約4割の人が、実際に利用してみたときに「今後も利用したい」と思えるような機能やコンテンツ、利用シーンをつくり出せるかどうかに大きく左右されそうだということです。

 この結果――koboとKindleの発売前の調査結果ではありますが――からは、読者サイドを見る限り、2012年を「元年」と言ってよいかどうかは、やや怪しくなります。

2013年以降、電子書籍市場の
ブレイク・スルーとなるのは「誰」と「何」?

 連載「電子書籍フォーキャスト」の第4回で筆者は、〈日本人はオール・イン・ワン志向が強く、「電子書籍もスマホ(やタブレット)で読んでしまえるほうがいい〉と考える読者が多いように思える」といった趣旨のことを書き、さらに最終回では以下のような推測をしていました。

●電子書籍が読める端末の市場は、タブレット端末が牽引する。
●電子書籍“専用”端末は毎年微増にとどまりそうであり、これは電子書籍コンテンツ市場の予想成長率が鈍化していることと関連付けられそう。
●「電子書籍を読むため」というだけでは、電子書籍“閲覧”端末を購入する動機としては弱そう。

 となると、電子書籍を読む端末としては“専用”端末ではなく、スマートフォンとタブレット端末が(使い分けられながら)伸びていく可能性が高そう――といった推測が可能です。

 そこで今回は、どこで買って何で読むのかではなく、誰が何を読むのか、読者の属性と利用シーンに着目して、2013年以降にブレイク・スルーになりそうな電子書籍の利用シーンについて考えてみます。