ブランドの世界では2位ではダメ。1位しか覚えてもらえません。1位を取るのは大変だと思いますか?いいえ、小さいブランドであっても、何らかの1位は目指せます。北海道のコンビニ「セイコーマート」をご存じでしょうか。全国規模でコンビニといえば、セブンイレブンがダントツでトップですが、こと北海道に限った話では、セイコーマートが1位なのです。
※本稿は、乙幡満男『儲かるブランドは、「これ」しかやらない』(PHP研究所)の一部を抜粋・編集したものです。
「1位」は魅力的?2位ではダメな理由
民主党政権時代の2009年、ある女性議員が、当時、莫大な予算が注ぎ込まれていた事業について「(日本が)世界一になる理由は何があるんでしょうか?」と尋ねました。その直後の「2位じゃダメなんでしょうか?」という発言が話題になりましたので、覚えている方も多いでしょう。
では、ブランドの世界ではどうでしょうか?これは断言できます。2位ではダメ。なぜなら、多くの場合、1位しか覚えてもらえないからです。
先にも述べましたが、ブランドは認知してもらうことがとても重要なのです。
例を挙げてみます。「世界一高い山は?」と聞かれれば、多くの人は「エベレスト(チョモランマ)」と簡単に答えることができるでしょう。しかし、「世界で二番目に高い山は?」と聞かれたら……。答えられる人は激減するのではないでしょうか(もちろん、ご存じの方もいると思いますが、正解はパキスタンと中国の国境にあるK2です)。
また、認知度のほかにも、「1位」には素晴らしい力があります。ドラッグストアなどで、「楽天で1位」「@コスメで1位」といったコピーが書かれた広告物や、商品に貼られたアテンションシールを見たことはないでしょうか。新聞や電車内で見かける書籍の広告にも、よく「Amazonで1位」と書かれています。
皆さんの中にも、「○○で1位なら……」という理由で購入したことのある方がいるでしょう。意識的かどうかはさておき、なんとなく「一番たくさん買われているのなら良い商品だろう」と判断したのではないでしょうか。あるいは、「買い物をして、失敗したくない」という心理が働いたのかもしれません。どちらにしても、「1位」には人を惹きつける力があるのです。