吉野家Photo:Diamond

強いブランドは、人が無意識に判断できるレベルまで自社のイメージを刷り込むことに成功しています。さまざまな工夫を通じて、世間の人たちの頭の中にブランドの特徴を焼き付けているのです。「ロゴを隠したら、どこのブランドの商品かわからなくなるのは当たり前」と思うでしょうか。実は、全員が正解したブランドもありました。いったいそのブランドはどこでしょう?
※本稿は、乙幡満男『儲かるブランドは、「これ」しかやらない』(PHP研究所)の一部を抜粋・編集したものです。

直感的に視認できるレベルまで記憶に粘着できているか

 あなたが外出先でトイレに入るとき、男性用か女性用かを判断するために、どのくらい意識的に入り口の表示を確認しているでしょうか。

 おそらく男性なら、青い表示が見えただけで男性トイレだと思い込み、入ってしまう人が多いでしょう。たとえ、表示のイラストが女性マークだったとしても、色が青なら気づかないかもしれません。人間は知らず知らずのうちに、無意識に判断していることが多いのです。

 牛丼が食べたくて「吉野家」に行くとき、オレンジ色の看板を見つけた時点で、その店が吉野家であると判断していませんか?また、ユニクロを探すときは、あの赤いスクエア型の看板を探し、赤い四角が二つ並んでいれば、かなり早い段階でユニクロと気づくでしょう。

 このように、強いブランドは、人が無意識に判断できるレベルまで自社のイメージを刷り込むことに成功しています。さまざまな工夫を通じて、世間の人たちの頭の中にブランドの特徴を焼き付けているのです。

ロゴを隠したらどこのブランドかわからない?

 2011年頃、クリエイティブディレクターの佐藤可士和さんが「セブンイレブン」のプライベートブランドをリブランディングされたときのことです。シンプルな白いパッケージで統一された「セブンプレミアム」が話題となり、コンビニ各社も真っ白をベースとしたパッケージデザインにしました。

 そこで、筆者が登壇したセミナーでは、コンビニやスーパー各社の商品パッケージのロゴ部分だけを隠し、どこのブランドのものかを当ててもらうという簡単なクイズを行いました。参加者の皆さんは自信満々にブランド名を答えましたが、残念ながら回答はバラバラだったのです。

「ロゴを隠したら、どこのブランドの商品かわからなくなるのは当たり前」と思うでしょうか。実は、全員が正解したブランドもありました。いったいそのブランドはどこでしょう?