――筆者のジェームズ・マッキントッシュはWSJ市場担当シニアコラムニスト
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金融市場は目下、米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ退治の手綱をいずれ緩めることができるとの期待で盛り上がっている。FRBは市場が自分たちに代わって時期尚早な金融環境の緩和を招かないよう、市場の高揚感を鎮める必要が出てきた。
先週には、10月の米消費者物価指数(CPI)統計が下振れたことで、市場が過剰反応を起こした。米10年債利回りは急低下。1日の低下幅としては、FRBが長期債の買い入れ開始を発表した2009年3月に次ぐ過去2番目の大きさを記録した。
2年債利回りも、08年のリーマン・ブラザーズ破綻以来、その前は01年9月の米同時多発テロ以来となる大幅低下となった。インターコンチネンタル取引所(ICE)ドル指数は2日間で3.85%低下。2日間の下げとしては、1985年のドル高是正に向けた国際協調を定めた「プラザ合意」の発表を受けた4.08%をわずかに下回る水準だ。