【プシェボドフ(ポーランド)】ウクライナで戦争が始まって以来、ポーランドは、隣国ウクライナに対してロシア軍に対抗するための兵器を供与する北大西洋条約機構(NATO)の取り組みで最前線に立ってきた。それは、この戦争がNATO加盟国である自国領土に波及することを許すことなく行われてきた。
標的から外れたミサイルがポーランドに着弾して2人の市民が死亡し、NATO内で高官協議が行われた。その結果、欧州におけるウクライナ最大の擁護者であり、この戦争がより広範なものへと拡大した場合に最も大きなリスクにさらされるポーランドに再び注目が集まることになった。
ウクライナと長い国境で接するポーランドは、開戦直後からこの戦争で中心的な役割を果たしてきた。ポーランドはロシアがウクライナに侵攻する何年も前から、欧米に対して、ロシアは危険をもたらすと主張して声高に警鐘を鳴らしていた。
ポーランドはその後、ウクライナでの戦争に対するNATOの姿勢と西側諸国の対応を形づくる上で重要な役割を担うようになり、ウクライナの防衛について強硬な路線を進めてきた。
ポーランドはこれまで、ウクライナに対して約20億ドル(約2780億円)相当の兵器を供与。さらに米国や他の同盟国がポーランド国内の空港や高速道路、その他の道路を利用して、何百億ドルにも上る軍事支援をウクライナに輸送することを認めてきた。また、国内でウクライナ軍の兵士を訓練するほか、手術を必要とする兵士向けに病院を開放してきた。ウクライナ産の穀物の通関手続きを急ぎ、何百万人ものウクライナ難民の受け入れもしてきた。