地球誕生から何十億年もの間、この星はあまりにも過酷だった。激しく波立つ海、火山の噴火、大気の絶えまない変化。生命はあらゆる困難に直面しながら絶滅と進化を繰り返した。ホモ・サピエンスの拡散に至るまで生命はしぶとく生き続けてきた。「地球の誕生」から「サピエンスの絶滅、生命の絶滅」まで全歴史を一冊に凝縮した『超圧縮 地球生物全史』は、その奇跡の物語を描き出す。生命38億年の歴史を超圧縮したサイエンス書として、西成活裕氏(東京大学教授)「とんでもないスケールの本が出た! 奇跡と感動の連続で、本当に「読み終わりたくない」と思わせる数少ない本だ。」、ジャレド・ダイアモンド(『銃・病原菌・鉄』著者)「著者は万華鏡のように変化する生命のあり方をエキサイティングに描きだす。全人類が楽しめる本だ!」など、世界の第一人者から推薦されている。本書の発刊を記念して、内容の一部を特別に公開する。

【サピエンスの絶滅と繁栄】「人類はいま、氷河時代に直面している」という驚きの事実Photo: Adobe Stock

到来する氷河時代

 今後数千万年にわたり、幾度も氷河時代が到来する。

 現在、私たちは、その入口にわずか二五〇万年ほど入ったばかりのところにいる。

 すでに氷は二〇回以上も増減をくり返し、始新世以来の大規模な気候の擾乱を引き起こしてきた。そして、それはまだ、はじまったばかりなのだ。

 氷に覆われた場所が広がるたび、そして後退するたびに、状況は変わる。ある種は死に絶える。ある種は繁栄する。

ホモ・サピエンスが受けた恩恵

 ある周期で繁栄した種は、次の周期で滅びるかもしれない。そして、現在進行中の氷河時代が終焉を迎えるまでには、さらに一〇〇回近い氷期と間氷期の周期がくり返される。

 ホモ・サピエンスは、現在の周期の恩恵を受けている。およそ一二万五〇〇〇年前の温暖な時期が終わり、長期にわたる寒冷期に入ったとき、ホモ・サピエンスは自己意識に目覚めた。

 海面が低いことを利用して移動し、孤立した島々のあいだを行き来した。

 約二万六〇〇〇年前、氷が最大にまで発達したころ、人類は旧世界全域でキャンプをし、新世界にさえ渡っていた。

 マダガスカル、ニュージーランド、オセアニア諸島、そして南極大陸だけが、まだ人類の足跡を海岸に感じていない場所だった。

 もっとも、それも時間の問題だったが。この進化の過程で、ホモ・サピエンス以外のすべてのホモ属は姿を消した。ホモ・サピエンスは、ホモ属の最後の生き残りなのだ。

(本原稿は、ヘンリー・ジー著『超圧縮 地球生物全史』〈竹内薫訳〉からの抜粋です)