電気自動車(EV)の新興企業は、投資対象としては決して優良株とは言えない。その企業の評価が楽観的であればあるほど、成長の可能性は高く見積もられてしまうためだ。1年前の11月16日、その数日前に新規株式公開(IPO)を果たしたばかりの米EVメーカーのリビアン・オートモーティブは終値ベースで時価総額1550億ドル(約21兆6000億円)を達成。当時は株式市場のEVスタートアップ熱が最高潮に達していた。あれから1年、同社は生産とサプライチェーン(供給網)の課題に見舞われ、時価総額は現在、300億ドル強で推移している。だが実のところ、資金力で劣る同業他社よりもリビアンの財務状況ははるかによい。自動車製造業では、特にスタートアップの段階においては、顧客よりも資本の争奪戦となるのが通例だ。リビアンは、幸運なタイミングでのIPOでその競争に勝利した。昨年10月にテスラ株が急騰したことを受け、リビアンのIPOの規模も拡大した。同社は最終的に120億ドル近くを調達した。つまり現在、増産用の資金として1四半期に15億ドル以上を燃焼できる余裕があるということだ。
テスラに続きたい新興EV、資金調達で苦戦
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