中国の習近平国家主席は、科学技術を巡る米国との覇権争いを背景に、航空宇宙や人工知能(AI)など戦略的に重要な分野に詳しい人材を共産党指導部に多数起用した。205人で構成する共産党中央委員会のうち、科学技術畑出身の委員の数は、科学研究・開発を急発進させた1992~97年の江沢民政権の第1期とほぼ同水準に回復した。米政権は中国のテクノロジー産業を抑制しつつ、自国の技術革新を促進するような政策を推進している。ワシントンのシンクタンク、ブルッキングス研究所がまとめたデータによると、新しい中央委員会で技術に知見を持つ委員は81人と、全体の4割近くを占めた。従来の中央委員会ではこの割合が18%弱だった。ブルッキングス研究所はこのデータをウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に独占提供した。新たな中央委員の名簿は先月の共産党大会で発表された。
中国、新指導部は理系人材重視 米と覇権争い
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