中国は米国と張り合おうとしている。状況を一変させる画期的な新技術に支えられたデジタル人民元が最近導入されたことで、米ドルの支配的地位と米国の覇権が脅かされている。米国の政策立案者はこの機会をとらえ、国益にかなう強化されたドルを導入することで対応すべきだ。ドル相場は2002年以来の高値で推移しており、人民元を含む他の大半の主要通貨に対して年初来10%超上昇している。しかし、米当局者らはドルの強さを読み違えてはならない。米国の生産は減少しており、その規模や速さがわれわれの主要な貿易相手国ほどではないというだけだ。米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレを抑制するため、遅ればせながら利上げを進めているが、物価高にはなお大きな代償が伴う。