自重トレーニングのメリットとデメリット
自重トレーニングについて考察してみましょう。まずは自分の体重で行うことによるメリットから…。
【メリット】
(1)安価にトレーニングが開始可能
(2)いつでどこでもトレーニング可能
(3)実戦に近い感覚でトレーニング可能
以上の3つに「可能」がそろいます。基本的に器具は必要ありません(中には、補助器具を使うと効率的なものもありますが…)。そのため、割と面倒な器具類を購入・準備するといった手間が必要ないことは、スタートするにはグッとハードルは下がることになります。
同様に、時間も場所も割と自由に選べます。会社や学校の昼休みにトレーニングすることもできます。つまり、ここで一番必要となるのは、「鍛えたい」という気持ちになるわけです。最後に、アスリートの方ならではの発想で言うと、スポーツ競技の実戦に近い感覚で筋肉を鍛えることができるということになります。これが自重トレーニングにとって最大のメリットと言えるでしょう。
実際に競技を定期的に行っていない方でも、日ごろの動作の延長上で鍛えることができるので、実生活における動きの中で必要とする筋肉同士の連動性を高めることができるのです。つまり、階段の上り下りなどの基本的な動作も楽になることが期待できるわけです。
では、デメリットは何でしょう?簡単に言いますと、以下の3つになります。
【デメリット】
(1)モチベーションを維持しにくい
(2)自宅にある程度のスペースが必要
(3)負荷の調整が難しい(負荷が分散する)
(1)に関しては、筋トレ仲間の有無といったことになります。ジムなら、知らない人でライバル想定をして、がんばることもできるでしょう。しかし、それが自宅なら…そう、つまり孤独なわけです。
そこで、SNSに自撮りをアップしたりしてモチベーションアップをするのが最善の策かもしれません。ですが、中にはすぐにそれも面倒となる方もいることでしょう。結果的に、孤独な戦いになります。要は、これも勉強と同じかもしれません。これを機に、一人でコツコツ積み重ねる根気を身につける機会にするようにしましょう。
(2)に関しては、いつもより自分の時間があることでしょう。その時間を有効につかって、部屋の模様替えと整理整頓をして、ひとまず、腕立て伏せができるスペースをつくってください。それだけのスペースがあれば、今回ご紹介する自重トレはすべて実施できるでしょう。とは言え、自宅に庭や駐車場があるなら問題ありません。また、近くに公園などのパブリックスペースがあるなら、そちらを有効活用すればいいのです。
(3)に関しても、すぐにイメージできることかと思います。ウエイトトレーニングの場合、重さを変えれば負荷の調整は簡単です。例えば自分の筋肥大に合わせ、10回を限界となる負荷を日ごろのメニューのマックスとするなら、それを目標として徐々に調整してメニューがつくれます。ですが、自重トレーニングの場合に最適な負荷に調整することは少々難しくなります。例えば腕立て伏せですが、1セットの目標を100回としましょう。
そこで簡単に100回できる人にとっては物足りず、逆に100回もできない人にとってはこの負荷は大きすぎると言えます。そして、ありがちな間違いと言えるのですが、100回が簡単だからと言って連続で200回と回数を増やしても、使う筋肉は肥大が期待できる速筋繊維よりも遅筋繊維へと負荷がかかる割合が増えることとなり、筋肥大が期待できなくなるわけです。