頑張っているのに成果が出ない。どうすればいいのか、途方にくれる人も少なくないだろう。そんな人におすすめなのが、『1位思考──後発でも圧倒的速さで成長できるシンプルな習慣』。創業9年目で売上300億円にしたアンカー・ジャパンCEOの猿渡歩氏、初の著書だ。猿渡氏は「適度にサボると生産性は上がる」という。27歳入社→33歳アンカーグループ最年少役員→34歳アンカー・ジャパンCEOになった著者が、参入したほぼ全製品カテゴリーでオンラインシェア1位になった秘密は、シンプルな6つの習慣にあった。本書の一部を抜粋しながら急成長の秘密を明らかにしていこう。
コンサルで学んだこと
私は企業や人の「成長」に携わるのがシンプルに好きだ。
新卒でコンサルティング会社に就職したのは、企業の成長をサポートできるとともに、ビジネスパーソンとして速く成長できると思ったからだ。
コンサルやファンドでは、一般企業の倍くらいの濃度で働いた。
2倍の濃度で2倍働けば4倍の学びを得られる。
成長したい私にとってこの上ない環境だった。
コンサルでは、パワーポイントやエクセルなどの基礎スキルからプレゼンの方法論まで幅広く仕事をするうえで最も大切な基礎体力を身につけた。
「資料作成能力」というとチープに聞こえるかもしれないが、若いときは必要に迫られたら貪欲に吸収することが大切だ。
ファンドで学んだこと
ファンドでは、コンサルに比べ、より経営に踏み込んだ仕事をした。
プロフェッショナルの中のプロフェッショナルが働く環境だったので、背伸びをしながら成長を感じる日々だった。
現在は、成長し続けるアンカー・ジャパンの経営に携われることがなにより楽しい。
2013年創業時の売上は9億円だったが、2018年に110億円、2020年に212億円を超え、2021年には300億円を達成した。
さらに一緒に働いているメンバーが成長し、高いレベルで仕事ができるようになってきた。
正社員は現在百数十人だが、一人あたりの生産性は非常に高い。
1年後、37.8倍に成長する人、成長しない人
私は常に成長していたい。
人生は1回しかないからこそ、悔いのないように成長し続けたい。
すばらしい経営者は星の数ほどいるので、現状に満足できない。
でも、自分よりすごいと思える人がいるのはとても幸せなことだ。
現状に甘んじることなく、さらに上を目指すことができる。
売上目標も達成した瞬間は喜ぶが、その満足は実はあまり継続しない。
もちろん、その瞬間はアドレナリンが出るし、嬉しい感情が純粋にある。
自分がやると決めたことをやりきったときほど嬉しいことはない。
ただ、その感情が続かないのが私の性格かもしれない。
なぜなら目標を達成したらそこが地面になり、新しい地平線の先に次の目標がそびえ立っているからだ。ただし、
成長は大切だが、そのスピードは個人によって違うのでゆっくりでもいい。
大切なのは、成長するために必要なことをやり続けること。
何もしなかった1年と、ほんの少し努力を続けた1年とでは、どれくらいの差がつくのだろう。
1×1を365回、繰り返しても1のまま。1の365乗は1。
これは1年後の自分が現在の自分と変わらないことを示している。
では、毎日、前日より0.01(1%)ずつ成長し続けたら1年後にはどうなるだろうか。
1.01の365乗は37.8。
これは1%のよい習慣が身につくと、1年後に37.8倍に成長していることを意味している。
初期値のコンマ以下の差は圧倒的な差に
1%のよい習慣が人を大きく成長させる。
反対に、愚痴や不平不満を言いながら仕事をする悪い習慣は人を成長させることはない。
スタート時はプラス0.01とマイナス0.01という僅差だが、それぞれ複利で転がり続けているうちに差が広がり続ける。
初期値のコンマ以下の差は、やがて圧倒的な差となる。
(本稿は『1位思考』の一部を抜粋・編集したものです)