なぜインドが多くの優秀なエンジニアを輩出しているのか? その秘密は「インド独特の算数教育」に隠されています。インドの算数の授業は、ただ暗記させるだけでなく、なぜそうなるかを考えさせる学習法が基本になっています。どのように計算したらより効率良く正しい答えを導き出せるか、子どもたち自身が考えながら学んでいくことで算数が面白くなり、さらに自発的に勉強が進むようになるわけです。この連載ではそのインド式計算法をわかりやすく学べる本『子供のインド式「かんたん」計算ドリル』の中から具体的な計算メソッドを紹介していきます。
「1の位がおなじ数」で「10の位をたすと10になる数」のかけ算
今回は、「1の位がおなじ数」で「10の位をたすと10になる数」のかけ算の計算方法をご紹介します。下の図をご覧ください。
このケースでは、答えの下2けたは必ず「1の位の数字の2乗」になります。この問題の場合は、「6×6」で「36」です。
そして、その上のけたは「10の位の数どうしをかけ算して、それに1の位の数字をたした数」になります。上の図の場合には「3×7+6=27」です。この「27」と「36」をくっつけて答えは「2736」になります。
もう一問見てみましょう。
この問題の答えは「9×9」の「81」と、「8×2+9」の「25」をあわて「2581」が答えになります。
この方法を知っていれば、素早く問題を解くことができるでしょう。
「36×76」を図で考えてみよう
「例題1」の「36×76」を図で考えてみましょう。
そうすると上図のような「6×6の四角形」と「30×70の四角形」と「6×30の四角形」「6×70の四角形」の4つで構成されたものとわかります。
そうとわかれば、「36+2100+6×(30+70)=2736」とパッと答えを出すことができます。
この問題から「図で考えるメリット」を理解していただけたと思いますが、このような考え方がインド式計算法の極意になります。
もっと問題を解いてみよう
それでは、この方法で他の問題を解いてみてください。
ここに掲載した4問は今回ご紹介したテクニックを使って計算すれば、パッと答えを出すことができます。
問題の答えはこのようになります。
(1)1209 (2)2236 (3)3264 (4)2604
いかがでしたか?
「インド式計算法」は練習すればだれでもマスターできます。ぜひ、挑戦してみてください。