中国での抗議活動、ウクライナ戦争の激化、イランで続く混乱と、この一週間の世界情勢は劇的だった。しかし、静かに進む革命の方が重要なこともある。日本は世界で最も安定した国々の一員であり、官僚たちが書類をさばき報告書を執筆する中、路上に群衆が集まるような状況は見られない。しかしこれらの報告書には、世界の政治に大きな影響を及ぼす内容が盛り込まれており、それは米中間の競争の行方を左右する可能性が十分にある。多くの注目を集めているのはドイツの「歴史的な転換点(ツァイトゥンベンデ)」、つまりドイツの対ロシア政策の基盤としての融和路線の放棄と軍事支出拡大への方向転換のほうだ。しかし、私が最近の訪日で知ったように、日本で始まっている変化はさらに先を行くもので、しかもドイツ政府内で起きているどんなことより幅広いコンセンサスを得ている。
【オピニオン】世界的緊張がもたらす日本の大転換
防衛費増額への支持、日本の世論調査で6割超える
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