中国の習近平国家主席は政治権力の頂点に立つことを再確認したばかりだが、在任期間中で最大かもしれない試練に直面している。その結果次第では、外国の多国籍企業の中国での事業の在り方や、グローバルな製造業投資の流れ、中国と先進民主主義国との関係が大きく変わる可能性がある。現在の状況を招いた複数の根本要因も当面は衰えそうもない。中国に進出している外国企業は長年、政治にほとんど関与しない代わりに、中国の膨大な労働力を利用できるという恩恵を受けてきた。一方、投資を渇望する地方政府はしばしば先手を打ち、ビジネスを混乱させかねない政治問題を鎮静化してきた。特に、独立した労働運動や土地買収への抵抗、その他の組織的な抗議活動などだ。