中国各地の主要都市で先週末発生した市民の抗議デモは、当局による新型コロナウイルスの厳格な封じ込め対策への不満が引き金となった。しかし、背後には、当局が爆発しかねないとして警戒を強める別の「マグマ」もくすぶっている。中国の若者層に広がる経済的な不満だ。大学構内を含め、市民が異例の抗議活動を展開した背景には、中国当局がなかなか景気減速に歯止めをかけられないでいることがある。中国の成長率は今年、コロナが最初に流行した2020年を除き、40余年ぶりの水準に沈む見通しだ。若者層にとって、先行きの見通しはとりわけ暗い。中国都市部の若者(16~24歳)の失業率は18%前後と、過去最悪の水準付近で高止まりしている。