中国は世界の自動車メーカーにとって長年にわたり重要な場所だった。この黄金時代の終わりを告げる兆候があちらこちらに見えつつある。中国における新型コロナウイルスの感染急拡大と、習近平国家主席のゼロコロナ政策に対する抗議行動は、さらなる供給の混乱と販売面の波乱のリスクを高めている。だが、長期的な脅威は競争だ。中国の電気自動車(EV)メーカー、特に比亜迪(BYD)には、中国の消費者に買いたいと思わせるような洗練された製品がある。EVの販売台数は市場全体よりも成長が速く、国内企業が市場シェアを拡大している。この傾向は、特にドイツの自動車ブランドが好調な中国市場の恩恵を受ける存在として登場したここ20年のパターンを破るものだ。独自動車ブランドは中国で、現地自動車メーカーとの合弁事業(JV)によって急成長を遂げ、2桁の利益率をたたき出した。また部品や高級車を中国に輸出した。各社の中国事業の利益貢献度は公表されていないが、コロナ前は全体で50%にも達していたと見られている。
独自動車メーカー、中国事業は「いばらの道」
EVの台頭で世界最大の自動車市場の秩序が崩れている
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