サム・バンクマンフリード氏が立ち上げた暗号資産(仮想通貨)交換業者FTXが経営破綻する数年前に、関連投資会社のアラメダ・リサーチでは同氏と対立し幹部らが退社していたことが分かった。リスクやコンプライアンス(法令順守)、会計などを軽視する同氏の姿勢が懸念を招いていたという。アラメダの設立初期にバンクマンフリード氏と共に働いていたスタッフらが2018年に退社した。この中には、共同創業者のタラ・マック・オーレイ氏も含まれる。FTXとアラメダはいずれも経営破綻した。事情に詳しい複数の関係者によると、バンクマンフリード氏は暗号資産の分野に巨額の資金をつぎ込んでいたものの、それに伴うリスクにはほとんど注意を払わず、周囲の懸念を一蹴していた。アラメダはトレーディング用の資金と運転資金を分別せず、記録管理はずさんだったため、同社の損益は不透明だったという。