2020年に新型コロナウイルスの感染者が初めて確認されたとき、米国は生命と暮らしの間でバランスを取るのに苦心した。感染者数と死者数が急増し、ロックダウン(都市封鎖)が生産活動に壊滅的な打撃を与え、全国各地でデモが起きた。これとは対照的に、中国は権威主義による効率性のモデルとなった。大規模検査やロックダウン、国境の閉鎖によって、感染拡大は抑制された。このため、ほとんどの中国人は感染の不安なしにいつも通りの生活を送ることができ、感染を抑え込むことを狙った「ゼロコロナ」政策に対する幅広い支持が維持された(外部者に分かる範囲のことだが)。中国共産党はこうした対応について、同国の統治モデルが優れていることを証明するものだと主張した。ある中国の学者は、米国は歴史的な「自己矯正能力」を失ったと結論付けた。
米中逆転の「コロナ対応」力学、つまずく権威主義
世論や政治の圧力を受けない習主席は、あまりにも長く「ゼロコロナ」に固執
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