11月下旬、政府の新型コロナウイルス規制に対する抗議活動が中国各地で行われた。特に注目されたのが大学生たちの抗議活動だ。北京大学や清華大学をはじめ、全国100以上の大学で、学生たちは無言で白い紙を掲げて、抗議集会を開いていた。これまで国の厳しい言論統制下で沈黙を続けてきた大学生が、ついに立ち上がり声を上げたのである。異例な事態の背景には、何があったのか。(日中福祉プランニング代表 王 青)
一般市民以上に厳しい、
寮暮らしの大学生たちの行動制限
コロナ禍が始まってから3年。中国政府は徹底して「ゼロコロナ」政策を強行してきた。今年10月に入ってからは、中国各地でオミクロン株の感染が拡大したため、全国の多くの地域で断続的にロックダウンが行われた。
ロックダウンが行われた街での行動制限がどれほど厳しいかは、これまでの記事でも何度か紹介しているが、一般市民以上に厳しい移動制限を強いられているのが、大学の寮で暮らす学生たちだ。大学生たちの生活がいかに厳しいか、その実態が注目され始め、SNSでもたびたび注目ランキングに登場するようになった。