新型コロナ流行前と比べた労働時間の減少率

働き方の変化で日本の労働時間は減少、供給制約が回復の足かせに新型コロナ流行前と比べた労働時間の減少率 出所:厚生労働省「毎月勤労統計調査」を基に、2022年7~9月期と19年平均を比較し日本総研算出

 コロナ禍で労働時間の減少が続いている。厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、労働者1人当たりの労働時間を表す総実労働時間は、新型コロナ流行直後の落ち込みから回復傾向にあるものの、依然としてコロナ前を1.7%下回っている。

 コロナ禍で労働者一人一人の働く時間が短くなった理由として、二つの仮説が考えられる。一つは需要要因だ。足元の日本経済は停滞感の強い状況が続いており、7~9月期の実質GDPは、コロナ前(2019年平均)を1.6%下回っている。労働時間の減少はGDPの減少に対応しており、需要減少に伴う残業時間の削減などを反映している可能性がある。この場合、経済活動の回復が明確化すれば労働時間は増加するだろう。