開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、特別に一部を抜粋して紹介する。

「わが子に英語を習得させたい親」が知っておきたい1つの事実Photo: Adobe Stock

言語習得には、途方もないほど膨大な時間がかかる

 帰国子女でもなく、最近になってはじめて英語に触れたような子が、英語力を武器に世界で活躍することなどできるのでしょうか。

 結論から言えばイエスです。ただし、中学受験など二の次にして、一定の時間、英語の勉強をしなければ無理でしょう。

 スタートは早ければ早いほどいいですが、遅くとも小学3年生くらいから、1日4時間の英語学習をほぼ毎日やらないと、世界で通用する英語力は身につきません。トータルの学習時間として、1万時間は達成したいところです。

 具体的に計算してみると、「4時間×6日×4週×12か月=1152時間」。つまり「1日4時間の勉強を週6日」のペースで続けても、約10年かかることになります

オンライン学習の普及で、英語学習はやりやすくなっている

 子どもが優秀なのに、地方に住んでいて受験するような有名中学校もないというようなケースでは、思い切って英語に特化して勉強させるのも1つの道だと思います。後述しますが、英語ほど場所を選ばずにオンライン環境で学ぶに適した教科はないからです。

 どんな地方でも、子どもにその気さえあれば、濃度の高い英語学習は可能です

 それに、将来的にずっと英語で生きると決めなくとも、小学校のうちにかなりの英語力を身につけておき、受験は大学で改めて考えることもできます。

 いずれにしても、住んでいる場所、経済的な事情、子どもの望みなどを加味し、じっくり検討する必要があります。

 GAFAなどの進出によって、日本における仕事のあり方も変化しています。もちろん、外資系で働くなら高い英語力は必須です。いくら自動翻訳機の性能がアップしても、外資系のビジネスの現場では、そんなものは使われません。やるからには、AIにも負けない英語力を身につけさせましょう。

日常的に英語に触れる量を増やす

 いい学習塾や英会話教室は人口の多い都市部に集まっていて、そうした地域に住んでいない子どもたちには、これまで大きなハンデがありました。しかし、今は本気で英語を学習したいという子どもにとって、ずいぶん平等な環境が整ってきています。

 なんといっても、英会話の対面学習がオンラインで受けられます。YouTubeでネイティブの会話も聞けます。ネットフリックスやアマゾンを活用すれば、海外の映画もいくらでも観られます。

 こうした、安価または無料で使える素材をどんどん活用しましょう。オンラインで楽しめるコンテンツの普及は、英語学習に最も恩恵をもたらしているのです。

 英語力には、「読む・書く」と「話す・聞く」が必要ですが、「読む・書く」については一定の「質」を担保した教材を用い、「話す・聞く」はとにかく量をこなしましょう。そのときに、オンライン学習は間違いなく強い味方になってくれます。

(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)