開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、特別に一部を抜粋して紹介する。

成績が良い子どもに共通する1つの習慣Photo: Adobe Stock

成績が良い子どもほど本をたくさん読んでいる

 断言してもいいですが、ひとりっ子で成績のいい子は、100%本をよく読んでいます。

 兄弟姉妹がいる子でも、本を読む子は成績がいいですが、ひとりっ子の場合、その傾向がはるかに強くなります。本を読む量と成績の高さが、見事に比例しているのです。

 おそらく、家庭で同世代との会話がないひとりっ子は、本の世界からの影響を受けやすいのだと思います。

 本をとおして考えたり、想像したり、感動したり……という作業の深さが違うため、そこから得る学びがひとりっ子のほうが多いのでしょう。

 ですので、ひとりっ子には、どんどん本を与えましょう。

ひとりっ子には小説を読ませる

 なかでも、小説がおすすめです。

 ひとりっ子は、どうしても世界観が狭くなりがちです。兄や姉がいない分、知らないこともたくさんあります。

 そういうひとりっ子が、小説をとおしてさまざまな人々や家族や社会について知っていくのは、大きな学びとなります。

 スタートは漫画でもいいのですが、最終的には小説を読ませてください。同じようにストーリーを追っていても、漫画は小説と比べ情報量が少なく、得られる経験値が限られます。

 それに、想像力を育てる上でも小説のほうがはるかに優位です。漫画はキャラクターや場面の設定が明確ですが、文字で読む小説は自分で考えないとなりません。

 たとえば、腹ぺこの15歳の女の子がハンバーガーを頰張るシーンがあったときに、絵で描かれている漫画は「見たまま」です。しかし、文字で書かれた小説の場合、読み手によって想像している世界がまったく違います。これが、小説の醍醐味です。

 いろいろ考えながら小説を読む力は、学力アップにつながることはもちろん、大人になってからも、さまざまな場面で役立つと私は思っています。

(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)