開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、特別に一部を抜粋して紹介する。

「わが子の才能を伸ばせる家庭、潰してしまう家庭」勉強のさせ方に決定的な違いPhoto by Adobe

得意、不得意があるのは当たり前

 理想が高いひとりっ子の親は、成績について、どれもこれも優秀であることを望みます。

 しかし、5~6年生になるとどうしても、得意な教科、不得意な教科が出てきます。そのときに、バランスを求めるよりも、「得意な教科=点数を稼げる教科」だとマインドチェンジしてしまったほうがいいでしょう。

 中学受験においても、最近では「算数だけ」「国語だけ」というように、1科目に特化した配点の入試が増えています。

 図抜けた得意分野があるなら、それを生かす受験を考えてもいいでしょう。

無理にデコボコを埋めるより、得意なことをとことん伸ばす

 それに、子どもには、その子ならではの能力の発揮の仕方があります。あまりバランスを追いすぎれば、本来発揮できるはずの能力が埋もれてしまいます。

 そもそも、天才型とかギフテッドと呼ばれる抜きん出た能力を持っている子どもは、ひとりっ子に多い傾向にあります。彼らは、伸び出すと半端ではない化け方をします。(関連記事:【ギフテッド教育】特異な才能、困った行動、親は「子どもの個性」とどう向き合うべきか?

 だから、そういう突出した能力を伸ばすことこそ最優先すべきで、苦手なものにフォーカスするのは得策ではありません。

 もちろん、それは特殊例で、多くはバランスのいいひとりっ子です。そして、そういう子でもギフテッド型に成長する可能性は充分にあります。というのも、ひとりっ子は自分の好きなことに没頭できる環境で育っているからです。

 いずれにしても、子どもの「デコボコ」をなくそうとするのはやめましょう。将来、大人になってからのビジネスの場でも、今以上に個性が尊ばれるようになるはずです。

 親は、そうした子どもの可能性を引き出してあげましょう。

(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)