開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、特別に一部を抜粋して紹介する。
子ども叱ることが難しくなっている世の中
企業でも学校でも学習塾でも、今一番難しいのが「叱ること」です。すぐにパワハラという指摘がなされてしまうため、怖くて叱れないのです。
しかし、叱られる経験なしに大人になれば、いずれ本人が苦労するのは明らかです。外では誰も叱ってくれない状況にあるからこそ、家庭でいかに子どもを叱るかはとても重要なテーマとなっています。
叱るときには感情的になってはならないとよく言われます。とはいえ、そもそも叱らねばならないような状況が起きたとき、人は「怒って」います。それを表に出すかどうかはべつにして、怒りという感情が起きているのは事実です。
ところが、今の10代は「怒るということ自体がいけないこと」という社会的風潮の中で育っています。そのため、怒られたときに、それが自分のせいだという意識はまず持ちません。怒った人が悪いのです。
「なぜダメなのか」を省略せずに説明する
だから「なぜ、あなたが今怒られているのか」ということについて、その意味をちゃんと説明しながら叱る必要があります。
とくに、ひとりっ子の場合、怒られる経験値が圧倒的に少ないので、いきなり大きな声で叱りつけたりすると、相手が親とはいえ心を閉ざしてしまう可能性があります。
一方で、ちゃんと説明すればわかる子も多いので、面倒ではあるけれど納得するまで丁寧に伝え、納得させましょう。
子どもだからと、AからEに飛ばして言うのではなく、ちゃんと「A→B→C→D→E」と言葉を端折らずに説明するのが、納得させるコツです。
(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)