開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺の進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、特別に一部を抜粋して紹介する。

「子どもの才能が伸びる家庭、そうでない家庭」親の向き合い方に決定的差Photo: Adobe Stock

ひとりっ子はクリエイティブな能力が伸びやすい

 兄や姉がいる子どもは、どうしても受動的になります。お兄ちゃんがサッカーをやっていれば、弟もやりたがります。お姉ちゃんがクッキーを焼いていれば、妹も手伝う機会が増えるでしょう。

 こうして、勉強のやり方から好きなテレビ番組に至るまで、下の子は上の子の影響を受けます。

 ところが、ひとりっ子はなんでも能動的に選べます。そして、それに没頭できる時間もたっぷりあります。なにしろ、邪魔をする人がいないのですから。

 このように、普段から好きなことに夢中になれるひとりっ子は、クリエイティブな能力に長けています。

子どもが熱中している時は、納得するまでやらせてあげる

 美術や音楽はもちろんのこと、人から言われなくとも自分の興味がある分野の本を読んだり、図鑑を眺めたり、レゴや折り紙に没頭するのがひとりっ子の大きな特徴です。

 そしてこのような創造性は、国語、算数、理科、社会、英語……と、あらゆる教科にいい効果をもたらします。

 ですので、子どもがなにかに熱中しているときには、親は柔軟な対応をしましょう。

 たとえば、夕飯の時間になっても子どもが夢中になって絵を描いていたなら、無理にいつもの時間どおりに食事を摂らせずに、30分くらい延ばしても、納得するまで描かせてあげたらいいでしょう。

独り言は「考える力」が育まれている瞬間

 なお、ひとりっ子には話し相手になってくれる兄や姉がいないため、一人で空想し、思考を繰り広げる時間も長くなります。ときには、独り言を言ったりもします。

 独り言は自分の思考を言葉にして整理する行為で、子どものクリエイティビティが発揮される瞬間です。

「一人で閉じこもっている」と心配したり、無理に話しかけたりせず、静かな時間も大切にしてあげましょう。

 ゆくゆくは海外で活躍させたいと考えているならなおのこと、今は日本の大学や企業でも、偏差値重視ではなくクリエイティブな人間を欲しています。

 そのニーズに対しても、ひとりっ子は優位に立っているのです。

(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)