新日本酒紀行「勝山」酒蔵外観 Photo by Yohko Yamamoto

伊達家御用蔵の誇りを懸け、最高品質の美酒で世界に挑む

 安土桃山時代に、ヨーロッパへ遣欧使節を送った仙台伊達家の伝統を受け継ぐように、酒文化を世界へ発信する仙台伊澤家 勝山酒造。現存する唯一の伊達家御用蔵で、62万石の城下町仙台で1688年に創業。12代目の伊澤平藏さんが陣頭指揮を執る。海外の日本酒鑑評会、IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)やKuraMaster(クラマスター)の上位入賞の常連で、2019年には両賞の最高位を受賞。海外需要が増え、生産量の3割を輸出する。

 代々蔵元は、伊達家の食文化の継承に尽力した。10代目は宮城調理製菓専門学校を立ち上げ、11代目は伊達家の迎賓館跡に仙台勝山館を建造し、G7(先進7カ国)の夕食会場にも選ばれた。