行動制限が解除され、入国制限も大きく緩和されるなど、人々の生活は少しずつ「コロナ前」に戻りつつある。だが、一難去ってまた一難。ビジネスの世界では、円安や資材高が多くの企業を混乱のうずに巻き込んでいる。その状況下で、好決算を記録した企業とそうでない企業の差は何だったのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は日立製作所や東芝などの「産業用装置・システム/業務用機器」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)
5社中4社が2桁増
ダイキンは4割増の大幅増収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の産業用装置・システム/業務用機器業界5社。対象期間は2022年5~9月期の四半期(5社の対象期間はいずれも22年7~9月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・ダイキン工業
増収率:38.4%(四半期の売上高1兆520億円)
・日立製作所
増収率:15.5%(四半期の売上収益2兆8470億円)
・東芝
増収率:4.4%(四半期の売上高8546億円)
・三菱電機
増収率:18.6%(四半期の売上高1兆2718億円)
・三菱重工業
増収率:23.6%(四半期の売上収益1兆39億円)
産業用装置・システム/業務用機器の主要5社すべてが前年同期比で増収となっていて、東芝を除く4社が2桁増収となった。中でも、ダイキン工業は4割に迫る高い増収率を記録した。
次ページ以降では、各社の増収率の推移を紹介するとともに詳しく解説する。
また、過去最高の売上高・営業利益を更新し、通期業績予想を上方修正する企業がある一方で、利益の下方修正に追い込まれた企業もある。どこがその企業なのかも見てみよう。