11×11~19×19をパパっと暗算できる「おみやげ算」。『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』の著者である、東大卒プロ算数講師の小杉拓也氏に、「計算の順序」にもふれながら、わかりやすく解説してもらいました。
おみやげ算のおさらい
まず、おみやげ算の解き方を復習しておきましょう。
(例)18×17=
①18×17の右の「17の一の位の7」をおみやげとして、左の18に渡します。すると、18×17が、(18+7)×(17-7) =25×10(=250)になります。
②その250に、「18の一の位の8」と「おみやげの7」をかけた56をたした306が答えです。
まとめると、18×17=(18+7)×(17-7)+8×7=250+56=306です。
これで、「18×17=306」が計算できました。
例えば、12×14、15×19、16×18などの「十の位が1の2ケタの数どうしのかけ算」は、おみやげ算を使ってすべて計算でき、慣れると暗算もできるようになります。
「おみやげ算で計算できる理由の証明」については、本連載の第2回『「16×18=288」が爆速で暗算できる驚きの方法』をご覧ください。
「(7+7-7÷7)×(7+7÷7+7+7÷7)」の計算の順序は?
さっそく本題に入ります。
(7+7-7÷7)×(7+7÷7+7+7÷7)=
この計算の順序については、次の3つのきまりを使います。
・ふつうは、左から計算する
・×と÷は、+と-より先に計算する
・かっこのある式では、かっこの中を先に計算する
これをふまえると、例えば、次のように計算すればよいとわかります。
(7+7-7÷7)×(7+7÷7+7+7÷7)←左のかっこ内の「7÷7」を計算
=(7+7-1)×(7+7÷7+7+7÷7)←左のかっこ内を計算
=13×(7+7÷7+7+7÷7)←かっこ内の、2つの「7÷7」を計算
=13×(7+1+7+1)←かっこ内を計算
=13×16
13×16は、「十の位が1の2ケタの数どうしのかけ算」なので、おみやげ算で、次のように計算できます。
・13×16の右の「16の一の位の6」をおみやげとして、左の13に渡します。すると、13×16が、(13+6)×(16-6) =19×10(=190)になります。
・その190に、「13の一の位の3」と「おみやげの6」をかけた18をたした208が答えです。
これで「(7+7-7÷7)×(7+7÷7+7+7÷7)=208」と求められました。
今回の解説では、「計算の順序の知識」と「おみやげ算」を使いましたが、スムーズに暗算できたでしょうか。
おみやげ算ができるようになれば、今回の問題を20秒以内に暗算することも可能です。まずは、11×11~19×19の暗算をマスターしましょう。そのために、新刊『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』がおすすめです。