金融機関や自治体からの書類、郵便物、クーポン、子どもが持ち帰るプリント類……。「紙」は毎日、怒涛のように家に入ってきます。いったい、取っておくべき紙はどれなのか? そして、それをどう整理すればよいのか?「とりあえず取っておく」と、「肝心な時に出てこない」「いつの間にか期限が切れていた」「大事な書類を失くして、お金や信頼を失くす」などの悲劇が起こります。紙には、財産や信用に直結するものもあります。人生により大きな影響を与えるのは、実は「モノ」よりも「紙」の片づけです。「もっと早く知りたかった!」とメディアでも大反響の、片づけアドバイザー・石阪京子先生の最新刊「人生が変わる 紙片づけ!」から抜粋して、ご紹介します。

【モノの片づけより効果大!】年末にやってしまえば心がスッキリ!「紙片づけ」とは?Photo: Adobe Stock

必要な紙を5秒で取り出せるようにする!

 本書では、紙が入ってきたら、まず、不要なものを捨て、情報のみが必要な場合はデータ化して捨てる。そして最後に残った紙だけをすぐに取り出せるようにホームファイリングすることをおすすめしています。

 ホームファイリングというのは、「日常生活で家族が使う紙を、5秒で取り出せるようにするファイリング術」のことを言います。そこへ行けば、大事な紙がちゃんとあると安心できる場所であり、必要な情報が一ヵ所に集まった情報ステーションでもあります。

 そのためには、紙一枚にも住所を決めます。

 本書では、ファイルボックスをジャンル別に6個作って、そこに日々来る紙を投げ込んでいく方法を説明していますが、そうやっていると少しずつ紙が増えていきます。そうすると、その中で必ずまたチームが分かれていきます。

 例えば、「教育ボックス」の中に、学校の紙、塾の紙、習い事の紙などが入り混じっていきます。だから、それを3つのチーム「学校」「塾」「習い事」に分けます。それぞれを個別フォルダー(本書参照)などに入れれば、必要な紙を5秒で取り出せるようになります。

 収納というのは、大きな枠から中くらいの枠、そして小さい枠という風に、まずは大きな枠を決めて、その中でさらに枠を作っていくのが基本です。

 よくあるのは、小さいケースだけをどんどん増やしていってしまうこと。押入れの中に、100均の小さな収納ケースがズラッと並んでいるおうちを、これまでたくさん見てきました。クリアファイルフォルダーが何十冊も並んでいることもあります。

 でも、収納の枠が細かく分かれていると、出す時もしまう時も、その中から一つを見つけ出すのが大変になってしまいます。時間がかかりますし、間違った場所に入れるミスも起きやすくなります。

複雑な仕組みは機能しない

 本書で紹介しているDさんもそうです。

 この方は、紙の整理から目を背けていたというわけではまったくなくて、むしろものすごく頑張っておられました。

 よく見ると、ファイルケースに、ママとか保育園とか、学校とか、ラベルを張って仕分けてあるんです。でも、大きな枠を作らずに、小さな枠ばかりが増えていってしまったため、機能しなくなっていました。

 紙が床に落ちていても、もはや、学校のボックスに入れるかと言ったら入れられません。なぜなら、もう学校のボックスがどこにあるかわからないし、この収納を作った本人ですら、このシステムを信用していません。だから、ついついそこらへんに差し込んでしまいます。ありがちですよね。

 複雑な仕組みは機能しないのです。

 5秒で取り出すために大切なのはこの3つ。

・そもそも紙が厳選されている
・ 大きな枠(棚など)の中に、中くらいの枠(ファイルボックス)があり、その中の小さい枠(個別フォルダーなど)に収まっている
・それぞれの枠に見出しがついて、どこに何が入っているかが一目でわかる

 5秒で出せるストレスのなさを、ぜひみなさんも味わってください。

*本記事は、石阪京子著「人生が変わる 紙片づけ!」の中から、抜粋・編集したものです。