2015年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの神様』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。

ありがとうの神様Photo: Adobe Stock

自分が勤めた会社は「自分の味方」にしたほうがいい

 会社には、「正しい辞め方」があります。

 どんな会社に勤めていても、必ず何度かは、「辞めたい」と思うことがあるでしょう。

 ですが、「会社」を辞めるときは、「喧嘩別れ」をしないほうがいい。「喧嘩別れ」をして辞めた人は、次の会社でも、「喧嘩別れ」をします。

 喧嘩をする時期が早いか、遅いかだけで、「喧嘩別れ」をする人は、早晩、会社や上司と喧嘩をします。

 私は、「転職をしてはいけない」と言っているのではありません。

 会社勤めをしているうちに、自分の才能や新しい方向性が見えることもあるでしょう。そういう積極的で前向きな動機なら、転職するのも、独立するのもいい。

 しかし、「喧嘩別れ」の末に辞めるのはお勧めできません。自分が勤めた会社は、すべて、「自分の味方」にしたほうがいい。

 そうすれば、会社を辞めたあとでも、あなたの「応援団」になってくれると思います。

「ひたむきさ」「誠実さ」「奥深さ」を満たしてから辞める

 勤めた会社を自分の味方にするためには、「3つの『さ』」を覚えてください。

「ひたむきさ」「誠実さ」「奥深さ」の「3つ」です。

「ひたむき」で「誠実」な仕事ぶりなら、その会社を辞めても評価は残ります。

 さらに「奥深さ」があれば、あなたは「魅力的な人」として、上司からも同僚からも「生涯ずっとつき合っていきたい存在」になれるでしょう。

・「ひたむきさ」
「この仕事をやってほしい」と言われた際、拒否したり、わがままを言ったり、異議を唱えたりせず、自分に与えられた仕事を実直にこなす。自分の意見を述べるときは、すべての要求に100%応えてから。

・「誠実さ」
約束を守る。対外的に表明したこと、口にしたことについて、できるかぎり努力をする。やる気のないことについては、軽率に口にしない。

・「奥深さ」
仕事とは関係のない「自分の世界」(趣味など)を持つ。鉄道に詳しい、絵が描ける、観葉植物に詳しい、俳句をつくる、アニメのことなら何でも話せる、など、ほかの人がとても及ばないような独自の世界を持っている人は、「おもしろい」し、「魅力的」に映る。

 今のあなたが、「辞めたら、この会社には二度と来ないだろう。同僚や上司とのつき合いもなくなるだろう」という状態なら、辞めるのは先に延ばして、「よい関係」になってから辞めたほうがいいと思います。

 会社を辞めたいと思ったら、「3つの『さ』」を満たしているか、よく考えてみてください。満たしていなければ、どこの会社に移っても、同じことの繰り返しです。

 会社を辞めてからも、笑顔で「こんにちは」と訪れることができて、みんなからも「元気か」と笑顔で迎えられるような「退社」ができるように、「3つの『さ』」を充実させてから会社を辞めてはどうでしょうか。