開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、「社会の成績をアップさせるコツ」について特別に一部を抜粋して紹介する。

中学受験では「今起きていること」が出題されるPhoto: Adobe Stock

中学受験では「今起きていること」が出題される

 これまで、社会については「覚えればなんとかなる」という認識が、親にも子どもにもありました。

「算数は難しいし、国語は本を読まないとならないし、理科はそもそも嫌いだし……。でも、社会は暗記すれば答えられるでしょう」と。

 しかし、今の問題はそういう生やさしいものではなくなっています。

 前項でも述べたように、子どもの社会的関心を育てていく必要があるし、それに伴っていろいろ覚えなければならないことが増えていきます。

 難関校の社会の試験は、教科書をベースにしつつも、「今起きていること」が盛んに扱われます。

 たとえば、ロシアのウクライナ侵攻を機に、これまでだったらまず扱われなかったモルドバやジョージアなどの国に関する問題が、出るようになるかもしれません。

 オリンピックやサッカーのワールドカップなど大きなイベントがあった年には、かなりの確率で関連した問題が出るでしょう。

 2022年のサッカーのワールドカップはカタール開催でしたが、その位置が問われるかもしれません。またこれまでは6月開催だったのが11月に変更された理由なども問われるかもしれません。

 社会の勉強には、想像以上に時間がかかるということを認識し、細やかな学習計画を立ててください。

「最近の出来事」も歴史の問題として出題される

 歴史は積み重なっていきます。だから、年月がすぎるにつれ、歴史のテストで扱う範囲は増えます。

 とはいえ、縄文時代などは少なくなっており、その代わりに昭和や平成に関するものが増えています。

 子どもたちにとって「バブル経済」は、親世代にとっての「戦後高度経済成長期」と同じような過去の出来事です。

 東日本大震災だって、中学受験をする子どもたちは自分事として知りません。こうした、親にとっては「わりと最近のこと」が、立派な歴史問題として出題されるということを知っておいてください。

 むしろ今後は、昭和や平成のテーマが多く扱われるようになるのは間違いありませんから、普段から子どもにいろいろ話をしてあげましょう。

 歴史が苦手なら、現代史からやるのもありでしょう。平成・昭和・大正と遡って学んでいきましょう。

(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)