人にナメられる人と、対等に接してもらえる人の決定的な差いつも人からナメられて悔しい思いをする人がいる一方、他人から常に大切に接してもらえる人がいる。相手との対等な関係性を構築するために欠かせないのは?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

いつも人からナメられて悔しい思いをする人がいる一方で、どんな人からも対等に、あるいは大切に接してもらえる人がいる。この違いはどこから生まれてくるのだろうか? 東京大学大学院で交渉学を学び、認知科学や知能を専門に企業の人材育成業を営む犬塚壮志氏によれば、相手との対等な関係性を構築するために欠かせないのは「交渉力」だという。どんな人とでも対等な関係をつくることができる「頭のいい人」たちが身に付けている、対人関係の秘訣(ひけつ)とは?(教育コンテンツプロデューサー/株式会社士教育代表取締役 犬塚壮志)

我慢ばかりの人生に満足できますか?

 唐突ですが、私から一つ質問をさせてください。

「あなたにとって理想的な対人関係とは、どのような状態でしょうか?」

 どのような関係を思い浮かべましたか? もし、この質問の意図を正確に見抜き、その答えに自信があるなら、ここから先を読み進める必要はありません。なぜなら、あなたはすでに最高の対人関係を手に入れているからです。

 ただ、すぐにこの答えが出てこない人もいるかもしれません。それでは、そんな方にもう一つ質問させてください。

「あなたにとって最悪な対人関係とは?」

 これなら、すぐに答えが思い浮かぶかもしれませんね。

「相手によくナメられる」
「なんか、アイツにいつも言いくるめられてしまう」
「あの人と、なかなか距離が縮められない」
「すぐに人と衝突してしまうのが悩み」
「いつも、完全に相手に下に見られている気がする」
「なぜ、自分ばかり仕事を押しつけられるんだろう?」

 相手からいいように使われる、イヤなのにずっと一緒にいなければならない。付き合ううちに金銭的な損失が発生したり、心身の健康にも支障をきたしたりしてしまう……。これは、最悪の対人関係ではないでしょうか?

 人生は有限です。人の命には限りがあります。命の一部ともいえる時間を誰とどう過ごすのかは、あなたの人生においてとても重要なはずです。もし、こうした対人関係の悩みや問題をすべて解決できたら、どんなにすばらしいことかと思いませんか。

 世界三大心理学者の一人でもあるアルフレド・アドラーは、「人生の悩みはすべて対人関係でできている」と述べています。言わば、人生の悩みはすべて対人関係の中で生じているのです。では、対人関係の悩みや問題を解決するためには、どうしたらいいのでしょうか。