ドル円が年始に130円割れ、それでも「128円」が2023年の下限と考えられる理由Photo:JIJI

ドル円200日移動平均を下回る
円高ドル安への警戒感高まる

 急激に円高が進む懸念が強まっている。ドル円は、2022年10月につけた151.95円から円高ドル安方向に動き、130円割れまで円高が進んだ。

 昨年11月以降、円高ドル安が進んだ理由は2つ挙げられる。米インフレ率にピークアウト感がみられ、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを0.75%から0.5%に減速させたことは、ドル安要因になった。また、昨年12月に、日銀が10年金利のゼロ%目標からの変動許容幅を0.5%まで拡大させる政策調整を実施したため、円金利が上昇して円高要因になった。

 ドル円のトレンドは、円高ドル安トレンドに転換したようにみえる。ドル円は、200日移動平均の136円近辺を下回った。過去を振り返ると、ドル円が200日移動平均線を下回ると、円高方向に動きを変えることが多い。

 そこで、過去の円安から円高への転換局面を振り返るとともに、日米10年金利差とドル円の関係を参考に、2023年のドル円相場のレンジの下限を考えてみよう。