2023年ドル円見通し
下限は115円に
2022年はドル独歩高だったが、23年は既に始まっているドル反落が加速し、ドル全面安の年となろう。ドル円の方向性は、基本的に米国要因で決まることになる。
ドル円は、22年10月21日にかけて歴史的なペースで急速に上昇し151.95円の高値を付けた。しかし、その後、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げペースを鈍化させるとの期待の高まりを背景とした米金利低下や、日銀・金融政策決定会合で金融政策のサプライズ修正をうけ、ドル円は12月20日に130.58円へと14%下落した。
筆者は、23年初にかけてはFRBの利上げがまだ続くため、ドル円が135円に向けて反発する可能性は残っているとみている。しかし、その後、1-3月期中にもFF金利のピークと最終利上げ時期が見えてくると、米中長期金利は低下基調に入り、ドル円は再び下落に向かうだろう。
年央にかけてFF金利が据え置かれる中では、ドル円の下落は緩やかだが、年後半に利下げが開始されると下落が加速し、120円割れもあり得るだろう。また、日銀が事前のコミュニケーションやインフレ予測の上方修正なしに金融政策を修正したことから、今後も日銀による追加修正期待が高まりやすく、ドル円には下押し圧力が残り続けるだろう。
日銀のサプライズ政策修正をうけて、筆者はドル円の23年末予想を従来の130円から122円へ、レンジ下限予想を従来の120円から115円へ下方修正した。