意表を突いたYCCの変更
日本の金利環境も無風で終わらず
ロシアのウクライナ侵攻が象徴する地政学的な緊張の高まりや眠りから覚めたインフレの高進、主要中央銀行の同時多発的な利上げ(例外は日本)など波瀾万丈だった2022年で、唯一、無風で終えるかと思われた日本の金利環境だったが、そうはならなかった。
12月20日、日本銀行が市場の意表を突く形で動いたからだ。
イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)の長期金利の変動幅の拡大に、市場は「事実上の緩和修正」と受け止め、金利市場や為替市場は大きく動いた。
日本でも超低利時代の終わりの始まりということになりそうだが、今後の政策修正はどのように進むのか。
日銀は異次元緩和策の副作用へ対応と、物価などの経済のファンダメンタルズへの対応を峻別しながら、4つのステップを経て、YCCの解除に進むと考えられる。
だが物価判断の変更による利上げやYCC解除までにはまだ時間がかかる見通しだ。