弾ける泡Photo:Nathanx1/gettyimages

蛇の道は蛇、建前だけでは本質は決して分からないのが不動産。そんな業界に首まで漬かった業界人がネット上に集う全国宅地建物取引ツイッタラー協会(全宅ツイ)。暴露ネタ満載の毎年恒例の新春不動産座談会、1日目は総論をお届けする。(聞き手/ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)

座談会参加者 全宅ツイオールスターズ

全宅ツイのグル @emoyino

都心の不動産を中心に扱うブローカー

どエンド君 @mikumo_hk

専業の不動産投資家(大家さん)

かずお君 @kazuo57

日本中の土地を老人ホームにする有活ブローカー

あくのふどうさん @yellowsheep

渋谷の不動産ブローカー

のらえもん @Tokyo_of_Tokyo

湾岸タワマンアナリスト

なめ茸 @c___i___b

マンデベモデルルーム勤務

つばさ(広告費無い部) @linecross0102

都内不動産売買仲介

団栗左衛門

ファンド業界の末端にいる資本家と配偶者のしもべ

みっく・まーさー @Mick_Mercer

外資不動産ファンド屋さん。すみふlover

「相場弱含みなのに、史上最大級の不動産取引
があった2022年、やっぱりカオスだった」

――明けましておめでとうございます。まずは、2022年の不動産業界の振り返りからいきましょうか。

かずお君(かずお):国内最大級の不動産取引があった!

みっく・まーさー(みっく)(※1)大手町プレイス!

どエンド君(どエンド):不動産取引の国内最高額4364億円!

あくのふどうさん(あくの):価格もだけど、あんな場所が売りに出るの驚いたな。

みっく:他にもビッグディールと大型バルクが複数ありましたね。

団栗左衛門(団栗):オフィス、物流、レジ(住宅)。あとはホテルも。あと(※2)キャップレートの攻めた水準はすごかったですね。

みっく:一等立地は皆突っ込みますよね。(※3)目黒雅叙園はちょっと微妙な結果でしたけど。まだ契約できてないんだよね。

団栗:雅叙園は売り手の希望価格には届かなかったらしいけど、その価格でも売れれば、売り手には相当のキャピタルゲインが出るっぽいけど。

――相場が弱含みなのに大型ディール連発、ってなんなんでしょうね。

団栗:外資を中心に「お金集まり過ぎたんで使わないと」っていう状態なので。それを消費するにはオフィスでも(※4)レジバルクでもディールは大きくなればなるほどいい、って。

 さらに、アジアファンドだとまともに投資できるのは日本だけしかない。中国は当然ダメ、東南アジアも市場が小さい。で、市場規模があって経済や政治が相対的に安定している日本に、ってなる。

みっく:ですね。同業の友人たちと話してても新規のファンド組成にもいい感じでお金集まってるみたいです。

団栗:おなかをすかせたファンドと投資家がいっぱいいるので、それでビッド(入札)やる、高値の札を入れた人が買う、それがコンプス(近隣で最近売れた類似物件)になって、相場はどんどんつり上がる、っていう。

あくの:外資は対円の為替で勝ってるから、まだまだ買えるって感じなんすかね。

――それにしても、割高、と考える人はいないの?利上げの動きについに日本も追従し始めましたし。