不動産インサイダー年始座談会#8Photo:3d-Guru/gettyimages

「意味不明」な価格高騰が続いた2021年。では22年はどうなるのか?特集『不動産インサイダー年始座談会』(全8回)の最終回では、不透明極まりない22年の不動産市況をメンバーが占います。(聞き手/ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)

【座談会参加者(全宅ツイオールスターズ)】
●全宅ツイのグル @emoyino 都心の不動産を中心に扱うブローカー
●どエンド君 @mikumo_hk 専業の不動産投資家(大家さん)
●かずお君 @kazuo57 日本中の土地を老人ホームにする有活ブローカー
●あくのふどうさん @yellowsheep 渋谷の不動産ブローカー
●のらえもん @Tokyo_of_Tokyo 東京湾岸エリア専門のマンションブロガー
●はとようすけ @jounetu2sen 都内不動産営業
●なめ茸 @c___i___b マンデベモデルルーム勤務
●とっくさん@ @tokusenjouhou20 オフィスリーシングとテナント退去を阻止する管理業務に従事
●N的まにあ @n_teki_mania 恐妻家兼不動産ファンド関係者
●ヘタレ社長 @hetare808ceo 賃貸仲介と賃貸管理をほそぼそと営むヘッポコ社長

「スタグフレーションが来る」派が
3人そろっちゃいました

――今回はいよいよ最終回。2022年の予想いきましょう。

かずお君(かずお) 僕はスタグフレーションに入るんじゃないかと思ってて、結構ビビってますねー。

N的まにあ(N的) うん、スタグフレーションの可能性は結構あるんじゃないかと思っています。そうすると不動産マーケット的には結構インパクト大きい。

のらえもん(のら) 実は、僕もこの1年は、将来スタグフレーションが来ると確信した1年でした。物件価格が上がっているというより、お金の価値が下がってるんですよ。コロナでここまでじゃぶじゃぶに融資して、国債を発行してそれを日銀に引き受けさせて、また全国に10万円ずつ配るとか。お金が安いんですよ。ガソリンの価格が上がって、小麦粉の価格が上がって、建物価格も上がる。物価は全部上がってる中でもみんな年収が変わらないっていうのは、もう完全にスタグフレーション。日本人の給料って30年上がってないですもんね。

はとようすけ(はと) 辞めよう会社。辞めた方がいい。

――スタグフレーション来る派が3人そろった。

のら 一方で、経営者とか人を使う方はお金を持ってる。トリクルダウンが起きていない。高級賃貸がどんどん決まり、高級物件がどんどん売れるとか。富の偏在が起きていて、今まで考えられなかった価格でも買える人が、結構なボリュームで存在することが分かりましたよね。だから暴落は来年も起こらない。価値のある土地はさらに高くなって、アマンレジデンスみたいな富裕層向けのレジデンス企画が増えると思いますね。

なめ茸 パワーカップルもガチもんのパワーカップルが増えてます。医者夫婦とか、夫婦でお互い会社持ってるとか。

のら 一方で、底辺の人が増えてるんで、これから海外旅行に行ける人はむしろマジョリティーじゃなくなってくるのかな、って気も。

なめ茸 「パワーないカップル」がほんとは大半なんですよね。

はと 東京23区以外は普通、平均世帯年収500万円行ってないですからね。東京は恵まれてるって思わなきゃいけないし、この座談会自体、全国的に見たらちょっと特殊な集まりで話をしてる感じですよね。

なめ茸 コンパクトシティ構想ってあるじゃないですか。地方の過疎化が進んでる村の維持コストが膨大にかかるから、地方中核都市に全部人口集める、っていうのを行政が強制的にやろうとしてるやつ。今のところうまくいってないけど、多分、行政がやらなくても真綿で首を絞めるようにじわじわとそういうふうになってきているんでしょうね。結果的には、地方中核都市しか生き残らない未来がやって来る気がしますね。

――相場はどうですかね。毎年「そろそろ天井」と言い続けて数年たちました。結局それより上がるんですよね。そもそもどうしてこんなに上がり続けているんでしょうか。そして、22年こそは何か変化が起きるんでしょうか?