誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』から生まれた小説『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。とても読みやすいオムニバス形式の短編集は、アナタの心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれるYouTube「精神科医Tomyの人生クリニック」“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】<br />「苦手」は克服できる…絶大な効果を発揮する4つの方法<br />

苦手を克服する技術

苦手でやりたくないことでも、やらなければならないことってありますよね。たとえば、勉強や仕事。楽しく思えればいいのですが、そう思えない人も多いでしょう。本来は自分のやりたいことだけをやって、人生を送ることができれば最高ですが、そうもいかないこともあります。

苦手でやりたくないことをやるということで頭に浮かぶのは、受験勉強。アテクシにとって大学の受験勉強は、とてもしんどい思い出です。数学がかなり苦手で、悩みの種でした。医学部受験で数学は重要科目ですから、数学の克服は必須です。

でも、数学が大嫌いなのですから、このときに「苦手を克服する技術」を身につけました。そのコツをお伝えしたいと思います。

コツ① 疲れたらすぐ休憩

1時間やろうとか2時間はやろうとか、時間的なノルマを自分に課してしまうとダメなんです。体調は一定ではありませんから、やっているうちに集中力が途切れて疲れてきます。そんなときに嫌なことを無理やり続けるようなことをすると、逆効果です。

「自分は嫌なことをやっている」というのが、自分に刷り込まれてしまうだけです。だから、疲れて集中力が途切れたら、無理せずに休憩をとる。けっして「無理しない」ということです。

嫌なことを続けるのは、実際のところ20~30分くらいが限界だと思います。その都度、お茶を飲んだりして、短い休憩を挟みながら続けるようにしたほうがいいでしょう。

コツ② どこまで進めるかを決めておく

嫌なことだからこそ、1日にやるべき負担を減らしましょう。全体のやるべきことを小分けして、作業の工程表をつくって“見える化”するのです。無理せずできる範囲で小分けして、意外と負担が少なくて済むことがわかると、やる気が湧いてきます。

たとえば、試験対策の勉強をするとき、得意科目を1週間前からはじめるとすれば、苦手な数学は2~3週間前から余裕をもってとり組む。そして、1日にやるべき勉強量を得意科目に比べて半分とか3分の1に減らして、1日あたりの量を減らしてあげます。

これは「1日にここまでは進めよう」という最低ラインを決めておくことでもあります。ゴールが見えているとモチベーションが高まりますから、どこまで進めるかは決めておきましょう。

コツ③ 苦手なことをやるときは楽しいことも用意

アテクシの場合、現代文や英語が得意だったので、そうした科目を勉強するのは、わりと楽しめました。だから苦手な数学を勉強するときは、そうした得意科目も織り交ぜながら進めるとやる気の維持につながりました。

丸ごと1日、苦手な数学の勉強で埋めてしまうと、そもそもやる気が湧いてきません。気が滅入って疲れてしまいますから、苦手なことと好きなことを組み合わせます

あるいは、好きなものを食べる、散歩に出かける、図書館にいく――など、ちょっとした息抜きになるイベントを用意しておくことも効果的です。そのときのコツは、苦手なことをしてから楽しいことをする。順番が逆では効力を発揮しません。

「苦手なことのあとに、楽しいことが待っている」という組み合わせにしてあげる。いずれにしても、全部苦手なことで固めないということがポイントです。

コツ④ 苦手なことをやるときは元気なとき

いまもそうなのですが、いちばん元気なのは学生時代から「朝」でした。心に余裕があって頭もしっかりまわるので、朝いちばんに数学をやっていました。

苦手なことを後まわしにしていると、「このあと苦手なことをしなくちゃいけない」と心に引っかかったままになりますが、元気な朝いちばんに苦手なことに挑み、達成したら好きなことに進むようにすると、好循環が生まれたのです。

――いかがでしょうか? これらのコツを実践するとともに、“小さな達成感”を味わうことも大切です。苦手なことをするには、やることを小分けして1回あたりの負担を減らす工夫をしつつ、それを達成したら、毎回“小さな達成感”を味わってください。それも好循環をもたらしてくれます。

本稿は『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。