冬場に起きやすい「隠れしもやけ」に要注意!“痛がゆさ”軽減と予防策とは写真はイメージです Photo:PIXTA

本格的な冬が到来し、肌の乾燥や手足の冷えに悩む人も増えているはず。もし、手の指先や足の指先などが痛がゆいと感じているならば「隠れしもやけ」を発症している可能性がある。大人ほど放置しがちな“しもやけ”について、専門医に話を聞いた。(清談社 真島加代)

大人が気づかない
隠れしもやけとは

 幼い頃、雪遊びを楽しんだあとに指先が真っ赤に腫れてしもやけになった、という思い出がある人もいるかもしれない。そんな幼少期の淡い記憶から、「しもやけは子どもの病気」と、認識している中高年も多いだろう。しかし、その固定観念は大人の「隠れしもやけ」につながるケースがあるという。

「隠れしもやけといっても、症状が隠れているわけではありません。『大人の自分がしもやけになるはずがない』という思い込みによって、その発見が遅れてしまうことを意味しています」

 そう話すのは、野村皮膚科医院院長の野村有子氏。毎年11月から翌年3月のピーク時には、年代を問わず多くのしもやけ患者が野村氏の元を訪れるという。

「しもやけの原因は激しい寒暖差にあるので、年齢は関係ありません。冬場は屋外の気温が低いため、体の熱を逃さないように血管が収縮します。一方、暖かい部屋の中では血管が拡張して熱を外に出す働きをする。なので、寒い屋外から暖かい屋内に入った瞬間は、収縮していた血管が一気に拡張します。冬の間、激しく血管の収縮と拡張を繰り返すうちに、調整がうまくできなくなり、皮膚に炎症を起こしてしまい、しもやけを発症するのです」

 冬場、外回りから帰社すると、オフィス内が暖かくてホッとした、なんて経験がある人も多いだろう。しかし、体内の血管は収縮から拡張に急激に変化するため、大きな負担になっていたのだ。