武田薬品Photo:Diamond

*本稿は、現在発売中の紙媒体(雑誌)「息子・娘を入れたい会社2023」の「親子で学ぶ注目業界完全ガイド」を転載し、一部加筆したものです。

就活で欠かせない業界・企業研究。本誌では注目16業界の現状と課題、求められる人材像を分かりやすく解説していく。第13弾は「ニューノーマルな暮らしを豊かにする業界」として、「医薬品業界」を取り上げる。(ダイヤモンド社 ヴァーティカルメディア編集部 松野友美)

創薬競争はあるが
安定・高給は続く

 医薬品メーカーの動向は、新型コロナウイルスのワクチンやコロナ治療薬の開発でこの3年強、常に注目を集めてきた。その中で、「海外勢に遅れる日本勢」という構図を目にした人もいるだろう。

 確かに、研究開発の予算を比べると、数千億円を投じている海外と、1000億円を切る会社が多い日本とではスケールが異なる。

 それでも、日本の製薬会社にはがんの治療薬など、世界に負けない創薬の得意分野がある(下図参照)。

 また、ニューモダリティー(新しい治療法)や、遺伝子治療、AI新薬などがトレンドになったり、先行して開発する会社が有利となる難病や希少疾患向けの薬も注目されたりしている。

 しかもこの動きは、他の業界に見られるような、“既存領域が行き詰まるため新領域に挑戦する”というニュアンスではない。技術開発が進み、参入できるようになったと捉える方が正しい。