就活生必見!ECの伸び代が大きい「小売業界」の採用動向Photo: Diamond

*本稿は、現在発売中の紙媒体(雑誌)「息子・娘を入れたい会社2023」の「親子で学ぶ注目業界完全ガイド」を転載したものです。

就活で欠かせない業界・企業研究。本誌では注目16業界の現状と課題、求められる人材像を分かりやすく解説していく。第12弾は「ニューノーマルな暮らしを豊かにする業界」として、「小売り業界」を取り上げる。(ダイヤモンド社 ヴァーティカルメディア編集部 副編集長 小尾拓也)

EC拡大で
新たな成長軌道へ

 コロナ禍で明暗が分かれた小売業界。緊急事態宣言で地元消費が増え、スーパー、ドラッグストア、ホームセンターが好調だった一方、都心の百貨店、コンビニは苦戦した。

 アフターコロナで小売りのビジネスは「新たな正常化」に向かう。喫緊の課題となるのがDX(デジタルトランスフォーメーション)推進だ。

 たとえばEコマース(EC)の拡大。風早隆弘・クレディ・スイス証券株式調査部株式調査共同統括部長は、「小売りにおけるECの金額シェアは、2021年の11.1%から25年には15%に拡大する」とみる(下図参照)。

 日本の小売業界は海外と比べてEC比率が低かったため、ECの伸びしろは大きく業界の成長のけん引役となりそうだ。一方で、DXはECだけではない。実店舗の生産性向上、OMO(オンラインとオフラインの融合)における顧客接点の強化、サプライチェーンの効率化など多岐にわたる。

 大きな変化が起きそうな業界で働く醍醐味は大きい。ニーズが増えそうなのは、デジタルを活用して課題を見つけるだけでなく、解決策を考えて組織を動かしながら、それを実行できる人材だ。そして実業だけに、販路がどう変わっても消費者に寄り沿う視点を持つ人材の重要性も変わらない。

「聞く力を持ち、顧客の半歩先のニーズを読んで動ける人材は、業界を成長させる変革者として重宝されるだろう」(風早氏)