投資の「情報」が
あなたに役立つ3条件

 基本を確認しよう。

 投資の情報があなたにとって意味を持つのは、(1)あなたに情報の真偽を判断する能力があり、(2)判断の根拠として必要な別の情報(データなど)があって、かつ(3)情報を判断する時間が十分ある場合だ。条件は、(1)能力、(2)根拠、(3)時間、である。

 さらに付け加えると、(4)意味のある(投資)行動につながるチャンスがある場合だ。ここで言う「チャンス」とは、以下のような意味だ。

 例えば、業績見通しが良好な企業の株式があるとしよう。その見通しが、まだ株価に十分反映されていないなら、その業績見通し情報には具体的な投資行動につながり得る意味がある。しかし、その良好な業績見通しが既に株価に反映しているなら、その情報は投資行動上の意味がない。

 そして、上記の(1)、(2)、(3)にも関わる問題だが、「株価に反映しているのか否か判断ができない」ということなら、この業績見通し情報は、あなたにとって価値がないことになる。

 ちなみに、条件(4)まで含めると、「意味のない情報」は一気に増える。例えば、アクティブファンドの成績が振るわない理由は、この種の意味のない情報に基づいて売買がなされるからに違いない。プロも意味のない情報に振り回されているのだ。

 もっとも、その種のファンドでも、「この運用者の情報と判断には意味があるのではないか」という期待を投影したい投資家に対して一時の夢を提供しているサービス業なのだと思うと、ビジネスとしては一定の意味がある。ビジネスモデルとしては宗教に似ている。ただし、モデルの強靱性は宗教に及ばないかもしれない(結果が数字で出てしまうところが運用業の弱点の一つだ)。